壇鏡の滝(Dangyo no taki)

島根県隠岐郡隠岐の島町那久地図 総合評価5
 島根県隠岐郡隠岐の島町・那久。大小180の島々からなる隠岐諸島のうち、最も大きな島後(どうご)の西側外輪山に、壇鏡の滝は静かに身を寄せています。



撮影2006/10/21
 隠岐の島を訪れ、壇鏡の滝へ向かったのですが、このところ雨らしい雨が降らなかったらしく、滝はほとんど水を落としていませんでした。
 それでも、島を包む自然の豊かさは変わりません。海岸線には奇岩と断崖が連なり、山中には巨大な古杉が天を突くようにそびえ、隠岐ならではの風景が胸いっぱいに広がっていきました。
雄滝 落差50m 評価5
正面から見た雄滝 正面に立つと、白い崖が大きく口を開け、そこに雄滝がかかっています。島後は、かつてのカルデラ火山が傾き、半ば海に沈んだ地形だといいますが、その成り立ちを思わせる雄大な景観でした。
裏から見た雄滝 滝の下部は大きくえぐれ、そこには小さな神社が建てられています。社の裏手に回り込むと、滝の裏側をのぞくことができ、まさに“裏見の滝”の趣です。
 しかし、どれほど立派な崖であっても、水がなければただの岩壁にすぎません。次はぜひ、水量豊かな季節に訪れてみたいものです。
雌滝 落差40m 評価4
雌滝 雌滝は雄滝以上に水が乏しく、二段に折れ曲がる優美な姿も、訪れた日は“おしめり”程度の流れしかありませんでした。
 百選に名を連ねる壇鏡の滝だけに、少し残念な気持ちが残ります。それでも気を取り直し、隠岐の島のほかの景観を巡ることにしました。
 最初に向かったのは、海にぽつりと浮かぶ“ろうそく島”。岩の先端には、まるで芯のように細長い岩が突き出しており、夕陽がその先端に重なると、ろうそくに火が灯ったように見えることから名付けられたといいます。
 ただし、展望台からでは角度が合わず、炎のような光景を見るには船をチャーターする必要があるそうです。私は当日の夕陽と組み合わせて、拙いながらも合成写真を作ってみました。
 島の北端にある白島崎は、その名の通り白い島影が印象的な岬です。
 一説には、ここから布施の浄土ヶ浦まで大小99の島が連なり、“百に一つ足りない”ことから白島と呼ばれるようになったとも伝わります。
 山の中腹には、全長26メートルもの岩が地表から浮き上がり、まるで巨大なトカゲが這い出してきたかのような“トカゲ岩”がありました。これほど奇妙な岩は、これまで見たことがありません。
 浄土ヶ浦では、木々に覆われた島々が海岸線に連なり、遊歩道を歩くたびに新たな奇岩が姿を現します。
 ただ、韓国から流れ着いた漂着ゴミが景観を損ねているのは残念でした。
 大満寺山へ向かう林道沿いに立つ、樹齢800年、樹高30メートル、周囲11.4メートルの巨杉。
 複雑に絡み合った根の上から何本もの幹がまっすぐに伸び、その姿は圧巻です。名の由来となった乳房状の下垂根も独特で、“乳房杉”と呼ばれるのもうなずけます。
 かぶら杉は、樹齢600年、樹高38メートル、周囲9.7メートルの巨木。
 複数の杉が一体となって立ち上がる姿は、他に例を見ないほど奇妙で、どこか神秘的な雰囲気を漂わせていました。
 旅の締めくくりに訪れたのは、フェリー乗り場近くの玉若酢命神社(タマワカスノミコトジンジャ)。
 境内には、樹齢2000年、樹高30メートル、周囲20メートルの八百杉が静かに立っています。その若々しい緑からは、とても二千年の時を生きてきたとは思えません。
 小野篁、後鳥羽上皇、後醍醐天皇――隠岐に流された歴史上の人物たちも、この杉を見上げたのだと思うと、時の流れがふと身近に感じられました。



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