百選に名を連ねる壇鏡の滝だけに、少し残念な気持ちが残ります。それでも気を取り直し、隠岐の島のほかの景観を巡ることにしました。
最初に向かったのは、海にぽつりと浮かぶ“ろうそく島”。岩の先端には、まるで芯のように細長い岩が突き出しており、夕陽がその先端に重なると、ろうそくに火が灯ったように見えることから名付けられたといいます。 |
ただし、展望台からでは角度が合わず、炎のような光景を見るには船をチャーターする必要があるそうです。私は当日の夕陽と組み合わせて、拙いながらも合成写真を作ってみました。
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島の北端にある白島崎は、その名の通り白い島影が印象的な岬です。
一説には、ここから布施の浄土ヶ浦まで大小99の島が連なり、“百に一つ足りない”ことから白島と呼ばれるようになったとも伝わります。 |
山の中腹には、全長26メートルもの岩が地表から浮き上がり、まるで巨大なトカゲが這い出してきたかのような“トカゲ岩”がありました。これほど奇妙な岩は、これまで見たことがありません。 |
浄土ヶ浦では、木々に覆われた島々が海岸線に連なり、遊歩道を歩くたびに新たな奇岩が姿を現します。 |
ただ、韓国から流れ着いた漂着ゴミが景観を損ねているのは残念でした。 |
大満寺山へ向かう林道沿いに立つ、樹齢800年、樹高30メートル、周囲11.4メートルの巨杉。
複雑に絡み合った根の上から何本もの幹がまっすぐに伸び、その姿は圧巻です。名の由来となった乳房状の下垂根も独特で、“乳房杉”と呼ばれるのもうなずけます。
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かぶら杉は、樹齢600年、樹高38メートル、周囲9.7メートルの巨木。
複数の杉が一体となって立ち上がる姿は、他に例を見ないほど奇妙で、どこか神秘的な雰囲気を漂わせていました。 |
旅の締めくくりに訪れたのは、フェリー乗り場近くの玉若酢命神社(タマワカスノミコトジンジャ)。
境内には、樹齢2000年、樹高30メートル、周囲20メートルの八百杉が静かに立っています。その若々しい緑からは、とても二千年の時を生きてきたとは思えません。
小野篁、後鳥羽上皇、後醍醐天皇――隠岐に流された歴史上の人物たちも、この杉を見上げたのだと思うと、時の流れがふと身近に感じられました。 |