菱野温泉不動の滝(Hishino onsen fudo no taki)

長野県小諸市菱平 総合評価6
 浅間山の麓の菱野温泉に不動の滝がかかっている。



撮影2015/1219
 百名山・浅間山は噴火警戒レベル2が続き、火口から2キロ以内は立入禁止となっている。いま登れる最高点は外輪山の黒斑山で、そこが事実上の浅間山山頂となる。
 朝8時、高峰高原ホテルの登山口に着いたものの、空はどんよりと曇り、急いで登っても眺望は望めそうにない。
 天気予報では午後から晴れるというので、10時までは近くの浅間2000スキー場で今シーズン初滑りを楽しむことにした。
 10時過ぎに登山口へ戻り、冬山装備を整える。今季初の12本爪アイゼンを装着したが、登山道の雪は少なく、正直なところ軽アイゼンで十分だった。
(携行装備)
 ・登山靴、ダブルストック、帽子、手袋、スキーウェア (上下)、ゲイター、アイゼン(12本爪)
 ・熊避鈴、音楽プレイヤー
 ・GPS、コンパス、高度計、気圧計、地図、デジカメ、ヘッドライト
 ・食料(カップヌードル×1、キャラメル×2、チョコレート×2、ペットボトル×1、熱湯用水筒)
(10時43分)
 10時43分に高峰高原ホテル駐車場を出発。
(10時45分)
 眺望のある表コースと、森の中を行く中コースがあるが、行きは表コースを選ぶ。
 雪は少なく踏み跡も明瞭だが、霧が濃く、視界はほとんど利かない。
(12時7分)
 1時間30分弱で避難壕に到着。ここまでは登りだが、外輪山に乗ったので、あとは外輪山を巡る道となる。
 広々とした避難壕に入り、浅間山がいまも活火山であることをあらためて思い知らされる。
(12時12分)
 外輪山を歩いていくと槍ヶ鞘に出た。岩陰で15分ほど休憩する。
 浅間山は霧に隠れて見えないが、赤ゾレの頭から続く雪の崖だけが白く浮かび上がっている。足を滑らせれば、どこまでも落ちていきそうな急斜面だ。
(12時30)
 槍ヶ鞘から3分ほどで中コースとの分岐へ。
 風が強く、雪が吹き飛ばされて岩が露出している。慎重に足を運ぶ。
(12時42分)
 トーミの頭に到着。ここからの眺望も本来なら素晴らしいのだが、ガスが濃く浅間山はまったく姿を見せない。
(12時44分)
 湯の平との分岐。ここから草すべりと呼ばれる急坂が続く厳しい道が伸びている。
 周囲には樹氷が並び、白い静寂の中を歩く。
(13時3分)
 火山観測所に到着。山頂まではあとわずか。
(13時6分)
 登山口から2時間ちょっとで2404メートルの黒斑山山頂へ。
 数人の登山者が雲が晴れる瞬間を待ち続けていた。私もカレーヌードルを食べながら粘ってみたが、なかなか晴れない。麓には青空が見えているだけに、惜しい気持ちが募る。
 とりあえず中コース分岐へ向けて歩き出す。途中、トーミの頭でふと振り返ると、西から差し込む陽光が谷間に虹をかけていた。もしやと思い、手を振ってみると、自分の影を中心に光の輪が広がる――初めて見るブロッケン現象だった。カメラを構えた瞬間に消えてしまったのが惜しいが、胸に刻まれる体験となった。
(13時54)
 名残惜しいが、中コースから下山を開始。
(14時30分)
 朝、スキーをした浅間2000のゲレンデが見えてきた。もうすぐだ。
(14時47分)
 雪がクッションとなり歩きやすく、下山は1時間もかからなかった。
 皮肉なことに、登山口へ戻ると快晴。山の天気の気まぐれを思い知らされる。
 下山後は麓の菱野温泉へ。
 不動の滝の看板を頼りに進むと、赤い鳥居が現れる。
 しめ縄の向こうに滝が見えた。
 右側にはユニークな石仏が二体並んでいる。
菱野温泉不動の滝 (ヒシノオンセンフドウノタキ)地図 落差15m 評価6
 幅のある見事な直瀑で、厳冬期には氷瀑となるという。
 裏見もできる。
 青空を背景に見る滝はどこか異世界めいていた。
 滝の映像
 続いて菱泉の滝を探しに行く。途中、「登山電車で行く展望露天風呂」という看板が目に入り、常磐館へ立ち寄る。
 庭園に小さな滝があり、これが菱泉の滝かと思ったが、旅館の方に尋ねると笑われてしまった。菱泉の滝は旅館の外を少し下った場所にあるという。
 案内に従って進むと、池のある小さな公園に出た。
菱泉の滝 (リョウセンノタキ)地図 落差9m 評価2
 池の中央の島へ橋を渡ると滝が見えるが、人工的な印象が強く、早々に切り上げて常磐館の展望露天風呂へ向かった。ケーブルカーで風呂へ向かうという珍しい体験に驚かされる。
 滝の映像
 帰路、高速道路から見た浅間山は雲ひとつなく晴れ渡っていた。登山中にこの空が広がっていたら、まったく違う山行になっていただろう。
 それでも、初めてのブロッケン現象に出会えたのだから、今日の山旅は十分に満ちていた。



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