大井川の滝(Ooigawa no taki)

愛知県新城市長篠字施所橋
 大井川の滝は国道151号線の「金石亦透(キンセキモトウス)の碑」近くの施所橋直下にかかります。



撮影2025/2/6
 長篠から三河川合までの15キロは断崖絶壁の続く道で、車では通行出来ませんでした。そこで1877年から約10年をかけて長篠の豪商久保家の望月喜平治氏が私財を投じて二間(3.6メートル)幅の道路を造ります。特に難所は三河槇原駅近くの琵琶淵でトンネルを掘って通しました。
 望月氏の偉業を顕彰した金石亦透の碑です。辞書で金石を引くと「きわめて堅く、永久不変なもののたとえ」とありますが、オリンピックで金メダリストがメダルをかじる通り、今では金は柔らかいとイメージが定着しているのでちょっと違和感がありますね。
 尚、この道路は通称望月街道と呼ばれています。
 滝への入口は旧道の施所橋の袂にありました。
 竹林の中を歩いて行きます。
 国道151号線の施所橋をくぐりました。
 すると橋の真下に一の滝の落ち口が見えます。
 踏み跡はそのまま下流につながっているのですが、途中で崖崩れにより道が崩壊していました。仕方ないので、左斜面をよじ登ると柵があります。
 崩壊地点を過ぎたあたりから木を頼りに3メートルほど崖をおりて踏み跡に復帰しました。2メートルほどのスリングを持っていくといいかもしれません。
 全く訪れる人はいないようで道はかなり荒れています。
大井川の滝一の滝(オオイガワノタキイチノタキ)地図 落差8m 評価3
 一の滝が斜めから見えるところに出ました。この滝は本来はこれほど落差がありません。実は水車で精米する為に石を積み上げて高くしていたのです。
 一の滝の正面へ出ると、赤い旧道、そして緑色の国道下に滝が見えました。
 やはり石組が味気ないですね。
 さらに下流に進むと今度は飯田線の橋桁が見えました。
 橋桁の下をくぐって沢まで降りると下流側は穏やかそうです。
 でも上流は流木で防がれていました。
 ここを何とか通り抜けると二の滝と飯田線、そして真ん中には石垣が見えます。これが精米施設の跡かもしれません。
 豪商久保家は大量の精米を三段になった水車小屋で行っていたそうです。精米された米は同じく久保家が運営する川船で下流に運ばれたそうで、なんと合理的でしょうか。
 滝の左側には大きな窪みがありますが、自然に出来たのか、それとも人工的に掘ったのか分かりません。
大井川の滝二の滝(オオイガワノタキニノタキ)地図 落差6m 評価6
 二の滝は一の滝とは打って変わった自然の滝でした。右側から流れた水が中段で左に流れ、左側にも小さな滝を作っています。
 滝の映像
 帰りは旧道まで行かずに国道の袂にある急斜面を登りましたが、橋の上から下を覗き込むと一の滝が見えました。
 尚、飯田線の車窓からは二の滝を見ることができるそうです。今度、乗ってみようかな。
※出典
 豪商久保家による精米事業については、「奥三河の滝10万年の旅 9・10大井川の滝」を出典としています。



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