大水沢の滝(Oomizusawa no taki)

長野県安曇野市堀金烏川 総合評価6
 豊科インターから安曇野市街を抜けて、鳥川渓谷を目指す。「ほりで〜ゆ〜四季の郷」を過ぎて、さらに鳥川沿いに遡ると、やがて鳥川の対岸に大きな滝が見えてくる。



撮影2017/9/9
 この日は、奥さんとともに常念岳を目指すつもりでいた。
 登山口には6時50分に着き、7時ちょうどに歩き始める。
 山頂は雲に隠れていたが、空気は澄み、風も穏やかで、申し分のない登山日和だった。
 しかし、林道を20分ほど歩いたところで、奥さんの様子がどうもおかしい。今日は5時間かけて常念小屋まで行く予定だったが、無理は禁物と判断し、潔く引き返すことにした。
 ちょうどタクシーが登山口に到着したところで、それに乗せてもらい車へ戻る。
 ところが、車に戻った途端、奥さんの顔色がすっと良くなった。まだ7時半。せっかく安曇野まで来たのだからと、近くの大水沢の滝へ向かうことにした。
 展望台に立つと、滝の音だけが森の奥から響いてくる。
 しかし肝心の滝は木々に遮られ、まったく見えない。
大水沢の滝 (オオミズサワノタキ) 落差40m 評価6
 カメラを最大までズームしてようやく白い流れの一部が確認できた。かつてはよく見えたのだろうが、周囲の木々が成長し、滝をすっかり隠してしまったようだ。
 初めて訪れた人なら、なぜここに滝見台を作ったのか不思議に思うかもしれない。
 滝の映像
 滝を後にして林道をさらに進むと、「延命水」の看板が現れた。
延命水 (エンメイスイ) 落差5m 評価6
 落差5メートル、幅広の潜流瀑で、清冽な水が静かに流れ落ちている。体調の優れない奥さんに「この水を飲めば元気になるよ」と冗談めかして言うと、彼女も少し笑った。
 常念岳や蝶ヶ岳の登山口にあたる場所だけに、ここは格好の水場だ。飲用の樋が二つ並び、旅人を迎えている。
 ふと右手を見ると「延命水小滝」の案内板があった。
延命水小滝 (エンメイスイコタキ) 落差5m 評価1
 こちらは落差5メートルの小さな滝で、潜流瀑ではなく素直に水が落ちている。控えめながらも、森の中でひっそりと息づく姿が愛おしい。
 滝の映像
 松本まで来たのだからと、帰り道に百名城の松本城(29番)へ立ち寄った。
 黒漆の天守は、江戸初期に徳川家を出奔した石川和正が築いたものだという。青空を背にしたその姿は、やはり日本の城の中でも別格の美しさを放っていた。
 天守を見上げながら、ふと常念岳のことが胸に浮かぶ。
 「やっぱり登りたかったなあ」
 そんな思いが静かにこみ上げてくる。
 そして二週間後、奥さんを家に残し、私はひとり常念岳へ向かったのだった。



撮影2010/10/24
 安曇野の山あいに分け入ると、大水沢の滝がひっそりと姿を潜めていた。
大水沢の滝 (オオミズサワノタキ) 落差40m 評価6
 落差40メートル。数字だけ見れば堂々たる滝だが、展望台からはやや遠く、迫力がわずかに削がれてしまうのが惜しい。
 紅葉にはまだ早く、山肌には緑がところどころ残っている。季節の移ろいを読み違えたかもしれないと思いながらも、澄んだ空気の中で滝音だけが確かに秋の訪れを告げていた。



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