龍泉寺龍王の滝(Ryusenjiryuo no taki)

奈良県吉野郡天川村洞川
 龍泉寺は8世紀初め、大峰山で修行していた役小角が、この地に泉を発見し、「龍の口」と名づけ、その側に小堂を建て、八大龍王を祀ったのが起源とされる。



撮影2017/11/12
 大峰山には、2015年11月に八経ヶ岳を登ったことがある。しかし、日本百名山の著者・深田久弥氏は、洞川から山上ヶ岳、大普賢岳、行者還岳、弥山を経て八経ヶ岳へと縦走している。
 その行程の一端だけでも辿ってみたいと思い、今回は洞川から山上ヶ岳を目指すことにした。
 7時30分過ぎ、大峰大橋の駐車場に到着。日帰りなので、ポストに千円を入れる。
(携行装備)
 ・登山靴、ダブルストック、帽子、手袋、レインウェア
 ・GPS、コンパス、高度計、気圧計、温度計、地図、デジカメ、ヘッドライト
 ・食料(カップヌードル×2、キャラメル×1、チョコレート×1、ペットボトル×4) 、熱湯用水筒
(7時45分)
 準備を整え、登山道へ踏み出す。
  すぐに現れるのが有名な女人結界門。ここから先は、今もなお女性の入山が禁じられている。
 45分ほどで一本松茶屋に到着。シーズンオフのため人影はなく、静まり返っている。
 山上ヶ岳の山小屋は珍しく、登山道そのものが建物の中を通り抜けていく造りになっている。
(9時00分)
 水場「お助け水」に着く。ここがほぼ中間点。
 祠に祀られていた役行者像は、誰かが持ち去ってしまったらしい。早く戻ることを願うばかりだ。
(9時25分)
 大きな山小屋・洞辻茶屋が見えてきた。
 ここは大峰大橋からの登山道と、大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)が交差する要所である。
 シーズンオフなので内部はがらんどう。
 不動明王だけが静かに鎮座していた。30分ほど休憩する。
 洞辻茶屋からは大峯奥駈道へ入る。熊野本宮から吉野へと続く修験道の道で、険しい区間が続く。
 道が二手に分かれる地点では、左の古道へ。
 霜が降りて、まるで桜が咲いたように白く輝いていた。
 鎖場もある。
 鎖場を越えると、鐘掛岩に着く。
 ここには古い伝承が残る。遠州の寺が山伏を援助していたが、住職が代わり「援助できるのは吊り鐘くらい」と暗に断ったところ、翌日その吊り鐘が忽然と消えた。
 驚いて大峰山へ詫びに向かうと、この岩に吊り下がっていたという。
 現在、その奈良時代の吊り鐘は大峰山寺本堂に安置され、重要文化財となっている。
 二手に分かれた道との合流点に到着。
(10時30分)
 いよいよ「西の覗き」へ。
 捨身の行が行われる場所として知られ、断崖から身を乗り出し、仏の世界を覗く修行だという。
 霜をまとった木々が幻想的な光景をつくり出していた。
 宿坊を左に見ながら進むと、大峰山寺が姿を現す。
 「身口意(しんくい)三業を整え参入召されよ」との案内板。身は行い、口は言葉、意は心。修験の世界の入口らしい静けさが漂っていた。
 大峰山寺本堂に参拝する。
(11時00分)
 山頂標識は驚くほど簡素だ
 広場が続き山頂らしさは薄い。ここで30分ほど昼食休憩を取る。
(11時30分)
 下山はレンゲ辻を通る周回コースへ。しかし、この道は踏み跡が薄く、あまり歩かれていないため正直おすすめできない。
 山上ヶ岳は今も女人禁制だが、稲村ヶ岳は戦後に女性も登れるようになったという。
(12時00分)
 レンゲ辻に着くと、大峰大橋と同じ女人結界門があった。
 ここから大峰大橋へと降りていく。
 踏み跡程度の道で小石も多く、歩きづらい。
(13時25分)
 ようやく林道に到着。
 荷物用の索道が山上ヶ岳へ続いているようで、これに乗れば簡単に行けそうだとつい思ってしまう。
(13時45分)
 大峰大橋に到着。ちょうど6時間の山行だった。
 続いて龍泉寺へ向かう。ここは修験者が水行を行い、八大龍王尊に道中の安全を祈願する場所である。
 境内は紅葉が真っ盛りで、鮮やかな色に包まれていた。
 龍の口と呼ばれる泉からは、こんこんと清水が湧き出している。
龍泉寺龍王の滝 (リュウセンジリュウオウノタキ) 落差5m 評価3
 かつて龍泉寺も女人禁制だったが、現在は結界門が大峰大橋まで引き上げられ、多くの参拝者で賑わっていた。
 滝の映像



撮影2015/11/28
 八大龍王堂には灯りがともり、静かな荘厳さを漂わせていた。
 1946年の洞川大火で境内の多くが焼失したが、1960年に本堂などが復興。
 同時に女人禁制も解かれ、修行場である龍王の滝も整備されたという。
龍泉寺龍王の滝 (リュウセンジリュウオウノタキ) 落差5m 評価3
 いかにも修行の滝といった佇まいで、左上から不動明王が見下ろしている姿が印象的だった。
 滝の映像



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