富山城の滝(Toyamajyo no taki)


富山県富山市本丸1
 富山城跡には2015年にかつて本丸庭園や千歳御殿にあった大名庭園を想起させる池泉回遊式庭園として作庭された日本庭園がある。



撮影2025/12/18
 富山城の地下駐車場に車を滑り込ませると、地上へ出た途端、秋の名残を抱いた城址公園の空気がふっと肌を撫でた。かつて神保長職が十五世紀半ばに築いたと伝わる富山城は、上杉氏の支配を経て、佐々成政が越中を統一した折に大改修を施したという。
 いま目の前にそびえる天守は、堂々たる姿ながらも実は1954年に建てられたコンクリート造りの模擬天守で、現在は富山市郷土博物館として市民に親しまれている。
 大手道を進み、本丸へと向かう石垣に目をやると、ひときわ大きな鏡石がはめ込まれていた。来訪者を圧し、城主の威勢を示すために据えられたというその石は、静かに往時の気配を放っている。

※鏡石
 来城者に威圧感を与え、城主の権力や財力を誇示するために城の入口の石垣に置かれる石。
 やはり城は堀越しに眺めるのがいちばんだと、改めて思う。
 秀吉との戦いに敗れ破却された富山城は、関ヶ原の戦いの後、加賀藩主となった前田利長によって隠居城として再建された。
 1639年、加賀藩第3代藩主前田利常が次男の利次に10万石を与えて富山藩を立ててからは、前田家13代の居城として明治維新まで続くことになる。
 明治に入り建物の多くは姿を消したが、千歳御殿の正門として建てられた千歳御門だけが、唯一往時の姿を今に伝えていた。
 本丸には静かな日本庭園が広がっている。
滝石組(タキイワグミ)地図 落差1m 時間3分 評価1/10
 紅葉にはわずかに遅かったのが惜しい。
 縦に筋の入った滝石組は、まるで水が流れた痕跡をそのまま石に刻んだかのようだ。
 池畔に立つと、玉砂利の白さと水面の静けさが心を落ち着かせてくれる。池に張り出す出島の景観は見事の一言。
滝石組(タキイワグミ)地図 落差1m 時間3分 評価1/10
 池の西奥にも小さな滝石組がある。
 滝石組の前の石橋を渡って反対岸に行った。
 玉砂利の向こうにも滝が姿を見せた。
滝石組(タキイワグミ)地図 落差2m 時間3分 評価2/10
 2メートルほどの落差を持つ一枚岩の滝石組には水受け石も据えられ、離れ落ちの滝らしい豪快な景観を漂わせている。
 滝の映像
 庭園を抜けると、富山の薬売りを全国に広めた功労者として知られる二代藩主・前田正甫の銅像が立っていた。江戸城で急な腹痛に苦しんだ三浦藩主・秋田輝季に反魂丹を服用させたところ、驚くほどの回復を見せたという逸話は有名だ。その評判が諸大名に広まり、富山の薬売りは一気に全国へと広がっていった。石高に比して家臣が多く、参勤交代や幕府普請で財政難に悩まされた富山藩が、製薬をはじめとする産業振興に力を注いだ背景が、ここに静かに刻まれている。



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