屏風岩の滝(Byobuiwa no taki)

長野県松本市安曇上高地地図
 屏風岩の滝は、横尾から涸沢に向かう途中に見ることができる。



撮影2026/9/17〜19
 百名山の奥穂高岳登頂を目指して上高地を再訪した。過去、奥穂高岳には2020年8月 (腰痛の為、横尾で断念)、2026年8月 (台風の為、横尾で断念)の2回、断念しており、今回が3度目の挑戦になる。
 今回は涸沢にテントを張り二日目に奥穂高岳を登る計画だ。
(携行装備)…リュックサック総重量12Kg
 ・登山靴、ダブルストック、帽子、ヘルメット、手袋、レインウェア、傘
 ・コンパス、高度計、気圧計、温度計、スマホ、ヘッドライト
 ・テント、折り畳みマット、エアマット、寝袋、バーナー、鍋
 ・食料
  (1日目)
   朝…おにぎり×2
   昼…おにぎり×1
   夜…涸沢ヒュッテ味噌ラーメン
  (2日目)
   朝…やきそばパン
   昼…穂高岳山荘カレー
   夜…スパゲッティ
  (3日目)
   朝…カレーパン
  (未使用)アルファ米×1、カップヌードル×2
  (行動食)柿の種、プロテインバー×3
 ・ポカリスエット500ml×5+コーラ1本・麦茶1本購入
 ・スマホ予備バッテリー
(6時30分)
 朝もやの向こうに穂高連峰のシルエットが浮かぶ。
 8月に来た時はお盆休みで5時にさわんどバス停に並んだものの、バスに乗れたのは8時だった。今回は平日の木曜日ということもあり待ち時間はなく、明神館も観光客はまばらだった。
 徳沢のキャンプ場も1張だけだ。
 工事現場の鋼管は子ザルの絶好の遊び場になっていた。可愛い。
(9時35分)
 横尾には上高地バスターミナルから予定通り3時間強で到着した。
 水はポカリスエットを5本持ってきたが、温存したいのでここで麦茶を1本購入。
(10時15分)
 横尾で40分ほど休憩し念願の横尾橋を渡る。
 最初は歩きやすい道を歩く。
 3のガリーを過ぎた辺りで前を歩く登山者から「おおー!」という感嘆の声が漏れる。視線の方を確認すると屏風の頭辺りから一筋の水が流れ落ちていた。
屏風岩の滝 (ビョウブイワノタキ) 落差200m 評価6
 屛風岩は200メートルを超える大岩壁だ。ここにかかる滝なので落差は200メートル以上あるだろう。しばし北アルプスの絶景を楽しんだ。
 滝の映像
(11時40分)
 横尾から1時間25分で本谷橋に到着。ここで15分ほど休憩した。
 本谷橋までは緩やかな道だったが、ここから高度を増していく。
(12時50分)
 橋から1時間ほど歩いたところで前を歩く登山者から「前方に涸沢カールが見えますよ。」との声。あんなに遠いとこまで歩くかと思うと心が折れそうになり思わず「見なければ良かった。」と返事。
 見事な菱形の石があった。日本語ではひし岩だが、英語のDiamond Rockの方がしっくりくる。
 ようやく涸沢カールが間近に迫ってきた。
(14時50分)
 横尾から4時間35分で涸沢ヒュッテに到着。標準時間は3時間20分なので大幅の遅れだ。やはり本谷橋からの登りがきつかった。
 テントを張る場所を探していたら、「お兄さん、こちらにいい場所があるよ。」と飲み屋の呼び込みのような声がかかる。岩場が多い涸沢カールでは絶好の場所だ。教えてくれた方に感謝の言葉をかけここにテントを張ることにした。
 ここならテントの下にひくコンパネも要らない。今回は折り畳みマットに加えエアマットも持参したが、平らな地面のおかげで良く寝れた。
 シングルウォールテントは構造がシンプルで軽く、設営も簡単だ。その代わり結露しやすいのが難点だろう。
 今年の7月1日からの松本市・安曇野市での山岳避難状況が掲載されていた。49件発生し4人の方が亡くなっている。場所は北穂高岳が3名と多い。ジャンダルムや逆層スラブなどに代表される奥穂高岳から西穂高岳の縦走路での事故が多いと思っていたので意外だ。
(5時00分)
 翌朝は奥穂高岳を目指し5時に出発する。
 足もとは暗いが、山は段々と明るみを増してきた。ただ、赤くはない。
(5時42分)
 パノラマコースを進むと見晴らし岩に到着。
 見晴らし岩からモルゲンロート(朝焼け)に輝く奥穂高岳が見えた。これが噂の絶景だ。これを見るためだけに涸沢カールを訪れる人が多いというのも頷ける。
 その直後、太陽が昇った。
 ガレ場の斜面を横切るとザイテングラートと呼ばれる岩場だ。ザイテングラートとはドイツ語で主稜線に突き上がる枝線を意味する。
 ザイテングラートにとりつく。大きな石がゴロゴロしている。
 下ばかり見て歩いていたら、この石に思い切り頭をぶつけてしまった。ヘルメットをしていなかったら血だらけになっていたかもしれない。
 鎖場もある難路で手強い。
 登っても登っても岩場が続く。
 ようやく小屋まで20分の案内に辿り着いた。
(8時15分)
 疲れに疲れ案内のあったところから30分かけてやっと標高2983メートルの穂高岳山荘に到着。
(8時35分)
 20分ほど休憩し最難関の岩場にとりつく。
 山荘からは見上げるような壁に見える。
 鎖場や垂直梯子もあり緊張が続く。今回は平日で空いていたが、ハイシーズンは登山者が多く渋滞するので注意が必要だ。
 この岩場を越えれば稜線歩きはピクニック気分だが、標高は3千メートルを越えており、酸素濃度は平地の7割程度しかなく息が上がる。
 こんなところに鍬のオブジェがと思ったらピッケルだった。
 ジャンダルムの横顔を拝む。突如、山に出現したお化けクラゲだ。
 やっと奥穂高岳の祠が見えた。
(9時50分)
 穂高岳山荘から1時間15分で念願の奥穂高岳山頂に到着。標高3190メートルは間の岳と並んで日本3位だ。
 山頂のケルンには石造りの祠が祀られていた。この祠は、安曇野市の穂高駅前に本宮、上高地に奥宮、そして奥穂高岳山頂に嶺宮がある穂高神社だ。
 上高地の河童橋も見える。観光客が私を見ていることだろう。
 ジャンダルムへの道は礫がゴロゴロして足場はかなり悪そうだ。滑落事故が絶えないのも分かる。
 良く見ると岩頭に一人立っていた。本人はいかにも気持ち良さそうだが、見ているこちらは転落しないかハラハラする。
 7月に登った笠ヶ岳が良く見えた。
 槍ヶ岳(標高3180メートル)は標高が近いのでほぼ同じ目線だ。
 奥穂高岳より300メートル以上低い常念岳は眼下に見える。
 奥穂高岳は飛騨山地で最も高い山なので視界に入る全ての山を見下ろすことができるのだ。
(11時00分)
 山頂での展望を楽しみ穂高岳山荘に戻った。奥穂高岳とは反対側の涸沢岳にも登りたかったが、体が言うことを聞いてくれない。
(12時00分)
 結局、12時まで山荘で昼食休憩をとることにした。昼食はカレー。それにしても山で飲むコーラはどうしして美味しいのだろうか。
 降りのザイテングラートは特に危険なので慎重に降りた。
 涸沢カールのテントはまだ多くない。明日からシルバーウイークなので、これからが本番だ。そして1週間後には紅葉が始まり立錐の余地がないぐらいテントが張られるだろう。紅葉も観たいがそれよりも空いている奥穂高岳を登りたかったので、この時期を選んだ。
(14時10分)
 行きはパノラマコースだったので帰りは涸沢小屋経由にした。
 この小屋の名物はソフトクリームだ。
 2千メートルを超える山でソフトクリームが食べれるとは思わなかった。まさに「暑い日、最高」。
 物資運搬のヘリが舞い降りると歓声が上がった。ヘリコプターを真近で見ることなどないので、みんな興味津々だ。
(14時30分)
 テントに戻りくつろいでいると、隣のテントの方が夫婦で1張、涸沢カールが目的地でシルバーウイークをここで仲良く過ごすと言う。奥穂高岳登山のことを聞かれたので、「奥穂高岳は一般登山道。とはいえ、途中のザイテングラートは落石もあるのでヘルメットは必須。北穂高岳方面は上級コースなので行かない方がいい。」とアドバイスしたところ、やめときますとのことだった。確かに都会の喧騒から離れたテント泊はそれだけで魅力的だ。モルゲンロートの絶景、満点の星々、カラフルなテントの夜景など涸沢カールでテント泊するだけでも十分満足できるだろう。
 前日の夕飯は自炊が面倒だったので、涸沢ヒュッテで味噌ラーメンを食べたが、二日目はきのこスパゲッティを自炊。麺ははごろもフーズのサラスパ。短いのでザックに詰め込みやすく、茹で時間も4分と短いので重宝する。
(7時00分)
 翌日はのんびりとテントを撤収し7時に涸沢ヒュッテを出発した。
(8時25分)
 標準時間通りに本谷橋に到着。
 二日前に見た屏風岩の滝は跡形もなかった。どうやら雨天限定の滝のようだ。
(9時20分)
 横尾にも標準時間通りに到着。
 徳沢のテント場はシルバーウイークに入り木曜日より大分増えていた。
 河童橋に着いたが穂高連峰は雲の中。
(13時00分)
 さわんどに戻るバスはまだ空いていた。夕方にはきっと待ち時間が増すことだろう。



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