大台町大杉谷の滝(Oodaicho oosugidani no taki)

三重県多気郡大台町大杉 総合評価9
 大杉谷は、黒部峡谷、清津峡と並ぶ日本3大渓谷の一つだ。
 宮川第3発電所から大台ケ原までの約16キロ、標高差約1400メートルのタフな登山道の途中に、千尋の滝、ニコニコ滝、七ツ釜滝、光滝と言った落差のあるスケール豊かな滝がいくつもかかっている。



撮影2010/11/13
 2010年10月1日から11月30日まで、第3発電所の登山口からシシ淵までの通行が可能になったと聞き、さっそく足を運んだ。
 2007年10月には大台ケ原から七ツ釜滝まで歩いている。今回シシ淵まで到達し、ニコニコ滝を望むことができれば、大杉谷の登山道沿いにある滝はすべて踏破したことになる。
(10時20分)
 第3発電所の登山口を出発。
 シシ淵までしか行けないのは惜しいが、来年にはさらに先まで開通するらしい。
 道中には距離表示がこまめに設置されており安心感がある。裏を返せば、それだけ厳しい道のりということだろう。
 日出ヶ岳までは14キロ、大台ケ原駐車場までの2キロを加えれば、実に16キロに及ぶ登山道である。
(10時23分)
 ほどなく大日ぐらに到着。写真で見て覚悟はしていたが、実際に歩くと足元がすくむほどのスリルがある。
(10時32分)
 大日くら吊橋を渡る。
(10時40分)
 こちらは熊谷吊橋。
(10時46分)
 続いて地獄谷吊橋。名のとおり、谷底の深さが身にしみる。
(11時5分)
 京良谷出会に着く。ここから無名滝が望める。
(11時9分)
 京良谷付近は危険箇所が続き、気が抜けない。
(11時24分)
 頑丈な造りの大きな吊橋・日浦杉吊橋に到着。
(11時38分)
 はるか上方に大きな滝が姿を現した。千尋滝だ。
千尋滝(センヒロタキ)地図 落差160m 評価8
(11時43分)
 日本の滝とは思えないスケールで、兵庫県の天滝を思わせる。上部の一点から勢いよく落下し、下部は木々に隠れて見えないものの、その迫力は圧倒的だった。
 さらに手前の紅葉が見事で、この時期を選んだ甲斐があったとしみじみ思う。
 滝の映像
(12時22分)
 千尋滝からシシ淵までも危険な道が続く。
(12時30分)
 はるか前方にニコニコ滝が遠望できた。
(12時32分)
 トンネル状の岩の間をくぐる。上からは雨のように水が滴り落ちてくる。
(12時35分)
 ようやくシシ淵に到着。右手には小さな滝がかかっていた。
(12時35分)
 ここから先はまだ行けない。
ニコニコ滝地図 落差50m 評価8
 奇妙な名前だが、昔、この滝を“ニコニコ笑いながら落ちる人”がいたことに由来するという。
 遠望なのは残念だが、シシ淵の水面に映る逆さの姿が美しく、しばし見入った。
 滝の映像
(13時00分)
 シシ淵には30分ほど滞在。帰り際、渓谷の淵が見事なコバルトグリーンに輝いていた。水の透明度の高さを物語っている。
(13時37分)
 帰路でも千尋滝が見えた。やはり美しい。
(14時53分)
 大日ぐらを遠望する。こうして見ると、よくぞこんな断崖に道を通したものだと感心する。
(14時54分)
 一歩踏み外せば川まで真っ逆さま。緊張感が途切れない。
(15時00分)
 ようやく登山口へ戻った。総行程4時間40分。



撮影2007/10/8
(6時30分)
 七ツ釜滝のある大杉谷は、2004年9月の豪雨災害で吊橋流失・登山道崩落が相次ぎ、入山禁止となっていた。しかし、日本の滝百選を踏破するには七ツ釜滝を避けることはできない。
 前夜、大台ケ原駐車場で車中泊し、早朝6時半に出発した。
(携行装備)
・レインウエア上下、ベスト、ストック、登山靴、帽子、手袋、熊避鈴、熊避スプレー
・ツェルト、シェラフ、マット、ツェルトポール、ツェルト紐、ツェルト用折畳み傘
・GPS、高度計、気圧計、コンパス、地図、デジカメ、ヘッドライト、懐中電灯
・食料(ウイダーインエネルギー×3、朝バナナ×1、カップヌードル×2、雑炊×2、マジックライス×3、パン×1、チョコレート×2、シーチキン缶×2、水ペットボトル×1)
・調理用バーナー、鍋、箸
(9時00分)
 栗谷小屋までは行くことが出来るが、それ以降は、入山禁止になっており、栗谷小屋近くの大杉谷入り口は、入山出来ないようにワイヤーが張り巡らされている。ここを強行突破した。決して真似しないで欲しい。
(10時00分)
 堂倉滝へ降りると、吊橋は右側がめくれ上がり無残な姿。ほかの吊橋も見た目は無事でも相当なダメージを受けているはずだ。
堂倉滝(ドウクラタキ)地図 落差18m 評価8
 落差はそれほどではないが、真近で見ると、水量が豊富な為、物凄い迫力だ。
 滝の映像
 堂倉滝を過ぎて、しばらく崖沿いの道を歩く。
与八郎滝(ヨハチロウダキ)地図 落差100m 評価5
(10時30分)
 すると、対岸に与八郎滝が見えた。支流の滝の為、水量も少なく、又、木の陰にもなる為、見ごたえのある滝ではない。
(10時45分)
 隠滝は、隠滝吊橋の真横にかかる。
隠滝(カクレダキ)地図 落差15m 評価7
 吊橋のワイヤーが少し邪魔だが、狭くなった渓谷を一気に水が流れ落ち、迫力ある流れが楽しめる。
 滝の映像
(11時10分)
 隠滝から坂道を降り、開けた場所に出ると、左側の奥まった所に光滝が見えた。
光滝(ヒカリダキ)地図 落差40m 評価8
 なるほど、うまく命名したなと思う。上部が直瀑、下部が斜瀑になっていて、周りにさえぎる木々がないので、太陽の光を一杯に浴びて光輝いていた。
 滝の映像
(11時15分)
 登山道で特に酷いのは、光滝を少し過ぎた所だ。右岸の山体が崩落して大きな岩が完全に川を塞いでいた。渓谷の雰囲気がここだけ全く違っており、当然、登山道など見る影もない。
 大きな岩だけでなく、小石や砂も降り積もっており、川はここで完全に消えて伏流水となっていた。例えれば、双門峡の水のない河原「白川八丁」か。
 左岸まで、大岩が塞いでいるので、完全に登山道は絶たれている。山が崩れた状態のまま放置されているので、ここを超えるには、落石や岩の崩れなど予期せぬ危険があり、命懸けで大岩を超えるしかない。
 結局、この崖崩れを越えるのに、45分ほどを要した。
(12時30分)
 途中で写真を撮りながらゆっくり歩いてきたこともあり、6時間かけてようやく七ツ釜滝を見ることが出来た。
七ツ釜滝(ナナツガマタキ)地図 落差100m 評価9
 百選踏破の最大の難関と覚悟していたが、実際に目にした崩壊の惨状は想像以上だ。報道等によると、登山道の崩壊が酷く、後、5年は無理らしい。
 いつか登山道が復旧したら、山小屋に泊まりながらゆっくり訪れたい。
 滝の映像
(14時30分)
 七ツ釜滝には13時までいたが、午後5時半には暗くなるので、この時点で、今日中に大台ケ原まで戻れないと覚悟を決める。
 光滝到着は崖崩れの大岩を越えるのにやはり45分ほどかかったこともあり、14時30分になっていた。
(15時30分)
 堂倉滝に着いたのは、15時30分。栗谷小屋から堂倉滝まで降りる時は1時間だったが、急坂を登るので、1時間半はかかりそうだ。日没ぎりぎりだが、途中にはテントを張る場所はない。あせるが、身体は言うことをきかない。
(17時00分)
 結局、午後5時、ようやく栗谷小屋に着き、日が暮れる前に栗谷小屋の駐車場にツェルト(簡易テント)を張って、一夜を過ごす。夜半から雨が降ったが、シュラフのおかげで快適だった。
(6時30分)
 翌朝6時半に出発し、延々と続く急坂を登る。
(8時50分)
 日出ヶ岳の見晴台が見えた時には、さすがにほっとした。
 大台ケ原は雨だったが、帰路では雲海の間から熊野の山々が顔を出し、大台ケ原だけが雨だったことを知る。さすが世界屈指の多雨地帯だ。
 光滝を過ぎたところの崖崩れ以外にも、登山道は非常に危険な状態だ。丸3年整備されていないので、岩は苔むして沢靴でないと通れないようになっている箇所もあり、又、鎖も錆び、ロープも心もとない状況で、滑れば、数十メートルの断崖下に真っ逆さま。
 又、長い間、人が踏み込んでいないことから、渓谷が熊の巣になっている可能性もある。
 そして何よりも、大変なのは、大台ケ原から七ツ釜滝まで、標高差1100メートルを、行きが6時間、帰りの登りは、7時間はかかることだろう。昔なら、桃の木小屋か栗谷小屋で一泊すればいいが、山小屋は閉鎖されたままなので、途中でテント泊しなければいけない。
 もともと大杉谷登山道は死亡者が多数出る所。私も行ってしまってからでは遅いが、反省している。自治体などの保身、訴訟リスク回避の為に、入山禁止にしている場所もあるが、ここは違う。本当に危険だ。
 大杉谷登山道は、2007年10月現在、登山禁止です。決して真似しないようにして下さい。私のホームページを参考に行かれた場合も一切の責任を負いません。



日本の滝(ホーム) 日本の滝一覧 日本の滝百選 自薦百選の滝 訪問履歴

 

滝の評価はあくまでも私個人の主観にもとづくものです。又、評価は気象条件等によっても変わることをご承知おき下さい。
このホームページについての御意見・御感想は、GAF03402@nifty.com までお寄せ下さい。
本ホームページの著作権は、S.KOBAYASHI に帰属しております。
本ホームページの内容の一部、または全部を無断で複製、変更することは法律で禁じられております。